犬好きの日記

犬好きが書くブログ。特に犬の話をするわけではない。

中川海二「環の影」感想

最近買った一番新しい本。

中川海二先生のマンガ「環の影」

本屋で新刊コーナーをブラブラしていたら、なんとなく気になって買ってみた。

以前この人の「ROUTE END」を読んだことがあるのに全然同じ作者だと気づかず、帯をめくってビックリした。

いつの間に終わってたんだ、「ROUTE END」・・・!

途中までマンガ喫茶で読んだけどその後ずっと忘れてしまっていたので知らなかった。

そんな訳で本書を読み終わった後いてもたってもいられず、「結局犯人誰だったんだよ!?」という疑問を胸に最寄りの「快活CLUB」を検索し走ったのは少し前のことだがそれは置いといて。

ここではこのマンガの感想について書きたい。

「環の影」ってどんな内容?

まずこのマンガは、一言で言うと「ファンタジー

帯の紹介を引用すると、「アジアンバトルファンジーである。

架空の世界設定、架空の国家、架空の国民、架空の文化、架空の宗教、架空の軍事バランスとそれを支える架空の軍事技術を軸に、主人公の女の子と青年が翻弄されていくという物語(だと思う)。

西洋モノのファンタジーだとある程度皆が共有している知識(モンスターとか魔法とか)を元にだいたい似たような感じになっちゃうけど、東洋ファンタジーというのは斬新だと思った。

しかもこの作品は、アジアンファンタジーと言っても中華系ではなく、どちらかというとブータンチベットみたいな独自の文化を持つ少数民族国家が主体として話が進むので、尚の事新しい。

もちろん、お約束として大陸を支配するような巨大国家も出てきてこちらは中華系な感じもするのだけど、世界観がまるで別の星として設定されているのであまりそっちにも引っ張られない。

ざっくり説明すると、舞台は土星のような環を持つ惑星。

そこには大きく分けて二つの大陸が存在し、大小さまざまな国が存在する。

近年は主に二つの大国が覇権を争っているけど、中には独自の軍事技術で独立性を保っている小国もある。

その一つが、主人公の暮らす"影従国"

この国は季節によって移動する影(惑星の環が地上に落とす影)を神聖なものとして崇めており、その影を追って自分たちも季節ごとに移動する。

列車のような移動式の国家で、王位制が取られており、中では国民たちが普通の国家のように統治された状態で暮らしている。

小国にも関わらず大国に飲み込まれないのは、彼らだけが持つ”白帝”と言う最強の軍事技術によって他国への抑止力が働いているから、という設定。

こういうオリジナルの設定を作るのって自由度が高い分、何から何まで全部一から構築しなきゃならないし大変だと思うのだけど、結構その辺も細かく考えられてそうなので小出しが楽しみ。

民族衣装とか紋様とか入れ墨とか、凄く好みだし。

「環の影」の個人的に好きなところ

まあ、一番は上にも書いたとおり、民族衣装ですね。

特に主人公のお姉さんで王妃様の服が、かなり細部まで描いてあって兎に角凝ってる。

あれだ、乙嫁語りとか好きな人には刺さるかもしれない。

あと服の紋様とか入れ墨

お姉さん、独身時代は入れ墨入ってなかったぽいんで、王様と結婚するにあたり全身に彫ったという事なんだと思う。

他の国民はお坊さんくらいしか入れ墨してないぽいし、きっと宗教的な意味があるんだろうな。

キャラクターで好きなのは、主人公の1人である青年アウシ

ええとこのお坊ちゃんらしいのだけど、生まれつき全盲"白鎧"の技術により目が見えるようになったという。

真面目で優しい性格なのに、自分の好奇心を何よりも優先するタイプなもんだから度々周囲を困惑させるので、この物語の狂言回しという位置づけぽい。

もう一人の主人公カマルが、子供という事を差し引いても無鉄砲で考えなしな性格なので(いい子なんだけどね)、彼がいてバランスが取れている感じ。

最新話まで追った感じでは、壮大な設定の割にはけっこうテンポよく話が進むので、このまま息切れせずに続くと良いんだけど。

「ROUTE END」はけっこう意外な終わり方だったけど、改めて読み直すと伏線はけっこう前から敷かれていたので、きっとこの作者はラストを見据えてストーリーを作るタイプなんじゃないかと思う。

なので、こちらも最後まで描き切ってもらいたい。

「環の影」は「JUMP+」で読める

何が凄いって「ROUTE END」もそうだけど、これが毎週「JUMP+」で無料で読めるってことだと思う。

最近はこういう形態のサービス多いみたいだけど。

わざわざ紙に印刷して雑誌にするよりは、タダでも読んでもらって気に入ったら単行本買ってもらう方が効率的ってことなのか。

確かに、閲覧数とかでだいたいのファン数絞り込めるだろうから、初版の発行部数も予測が立てやすいんだろうけど。

自分も続きが気になって、とうとう「JUMP+」に手を出してしまった。

もっとも、忙しかったりするとチェックするのを忘れてて「あ~~先週の話見逃した~~!!」て事もあるので、やっぱり単行本が出たら買っちゃう気がする。

結構、発行ペースは速そうなので、2巻発売が楽しみである。

 

環の影 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

環の影 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 「ROUTE END」もおススメなので、猟奇サスペンスがお好きな方は是非。

ROUTE END 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ROUTE END 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)